Windows PCでインターネットにつながらなくなり、「DNSサーバーは応答していません」「デバイスまたはリソース(DNSサーバー)が応答していません」と表示されることがあります。
このメッセージが出ても、DNSサーバーそのものが故障したとは限りません。ネットワーク接続やPCのIP設定が原因でも、結果としてDNSエラーに見えることがあります。
確認するときは、影響範囲 → ネットワーク接続 → IP・DNS設定 → 名前解決 → PC側の対処 → 共有側の確認の順で切り分けると、設定をむやみに変更せず原因を絞れます。
DNSの仕組みから確認したい場合は、先にDNSとは?初心者向けに仕組み・役割・トラブル時の確認方法をやさしく解説を確認してください。
「DNSサーバーは応答していません」とはどういう状態か
DNSは、example.com のようなドメイン名を、通信先を示すIPアドレスへ変換する仕組みです。
「DNSサーバーは応答していません」と表示された場合、名前解決が正常に進んでいない可能性があります。ただし、原因はDNSサーバーだけとは限りません。
たとえば、次のような原因があります。
- PCからDNSサーバーまで通信できていない
- PCに誤ったDNSサーバーが設定されている
- DNSサーバーが停止している、または応答できない
- 社内ネットワークやインターネット回線自体に問題がある
- PC側に古いDNS情報が残っている
そのため、最初からDNS設定を書き換えるのではなく、どこまで通信できているかを順番に確認します。
最初に「1台だけ」か「複数台」か確認する
最初に見るのはPCの設定ではなく、影響範囲です。
次を確認してください。
- 1台だけで発生しているか
- 同じ部署・フロアの複数台で発生しているか
- 社内全体で発生しているか
- Wi-Fiだけで発生しているか
- 有線LANだけで発生しているか
1台だけなら、そのPCの接続状態や設定を中心に確認します。
一方、複数台で同時に発生しているなら、各PCを1台ずつ変更する前に、DNSサーバー、DHCP、ルーター、ファイアウォール、回線など、複数端末で共通して使う部分を疑います。
この切り分けを最初にしておくと、関係のないPC設定を変更して状況を複雑にするのを避けやすくなります。
DNS以前にネットワーク接続を確認する
DNSエラーが表示されていても、実際にはネットワークそのものにつながっていない場合があります。
まず次を確認します。
- Wi-Fiまたは有線LANが接続状態になっているか
- 同じ場所の別PCは通信できるか
- 既定のゲートウェイへ到達できるか
既定のゲートウェイは、同じネットワークから外部へ通信するときの出口になる機器です。IPアドレスは後述の ipconfig /all で確認できます。
必要に応じて、確認した既定のゲートウェイへpingを実行します。
ping 192.168.1.1
192.168.1.1 は例です。実際には自分のPCに設定されている既定のゲートウェイのIPアドレスを使います。
ゲートウェイへ到達できない場合は、DNSより前のネットワーク接続に問題がある可能性があります。社内ネットワークにつながらないときの切り分け方もあわせて確認してください。

ipconfigでIPアドレスとDNSサーバーを確認する
ネットワークへの接続状態を確認したら、コマンドプロンプトで次を実行します。
ipconfig /all
主に確認するのは次の項目です。
- IPv4アドレス
- デフォルトゲートウェイ
- DNS Servers(DNSサーバー)
値が表示されているだけで正常とは判断しません。社内で本来使う設定と合っているかを見る必要があります。
特に、IPv4アドレスが 169.254.x.x になっている場合は、DHCPからIPアドレスを正常に取得できず、Windowsが自動的にアドレスを割り当てている可能性があります。
この場合はDNS設定よりも、DHCPやLAN・Wi-Fi接続など、ネットワーク側の確認を優先します。
nslookupでDNS名前解決を確認する
IP設定に大きな問題が見当たらなければ、次にDNSへ問い合わせできるかを確認します。
nslookup example.com
nslookup は、設定されているDNSサーバーへ問い合わせて名前解決を確認するコマンドです。
結果を見るときは、単に「成功・失敗」の2択ではなく、次のように考えます。
| 結果 | 次に疑うこと |
|---|---|
| IPアドレスが返る | 少なくともその問い合わせではDNS応答を受け取れている |
| タイムアウト・応答なし | DNSサーバーまでの通信、ファイアウォール、DNSサーバー側など |
| 特定の名前だけ解決できない | そのDNSレコードや名前固有の問題 |
| nslookupは成功するがアプリでは名前解決できない | PC側のDNSキャッシュやアプリ側など、DNSサーバー以外も確認 |
nslookup はWindowsのDNSクライアントキャッシュを使わずに問い合わせるため、PC側のキャッシュ問題とDNSサーバーへの問い合わせ結果を分けて考える材料になります。
詳しい見方はnslookupとは?で確認できます。
DNSサーバーへ通信できるか確認する
ipconfig /all で確認したDNSサーバーのIPアドレスに対して、必要に応じて到達性も確認します。
たとえばDNSサーバーが 192.168.1.10 なら、確認例は次のとおりです。
ping 192.168.1.10
ただし、pingに応答しないだけで「DNSサーバーが停止している」と判断してはいけません。
pingで使われるICMPをファイアウォールなどで許可していない環境もあるためです。
pingは参考情報の一つとして扱い、nslookup の結果や他端末の状況と組み合わせて判断します。
1台だけならPC側で試せる対処
影響が1台だけで、ネットワーク設定そのものに明らかな誤りがない場合は、影響の小さい対処から試します。
接続し直す
Wi-Fiなら一度切断して再接続します。有線LANなら、ケーブルが正しく接続されているかを確認します。
PCを再起動する
一時的なネットワーク処理の不具合であれば、再起動で解消することがあります。
必要な場合だけDNSキャッシュを削除する
DNSサーバーへの問い合わせ自体はできているのに、PC側に古い名前解決結果が残っていることが疑われる場合は、次のコマンドでDNSクライアントキャッシュを削除できます。
ipconfig /flushdns
これはPC側に保存されているDNSキャッシュを削除するコマンドです。DNSサーバーそのものを修復するものではありません。
そのため、DNSサーバーへ到達できない状態や、複数台で同時に障害が起きている状態で、最初から flushdns を繰り返しても根本原因の解決にはなりません。
DNSサーバーの設定変更は安易に行わない
個人向けのトラブル解説では、Google Public DNSの 8.8.8.8 やCloudflareの 1.1.1.1 へDNS設定を変更する方法が紹介されることがあります。
しかし、会社PCでは自己判断で変更しない方が安全です。
社内では、Active Directoryや社内DNSを使って、
- 社内システム
- ファイルサーバー
- 社内向けWebサービス
- 社内ドメイン
などの名前を解決している場合があります。
そのPCだけ外部DNSへ変更すると、インターネットにはつながっても社内リソースへアクセスできなくなる可能性があります。
DNS設定を変更する必要がある場合は、会社のネットワーク構成や管理ルールを確認し、ネットワーク管理者や委託先ベンダーの指示に従ってください。
複数台で発生している場合に確認すること
複数台や社内全体で同時に発生している場合は、PCごとの設定変更よりも共通部分を確認します。
主な確認対象は次のとおりです。
- 影響端末が同じDNSサーバーを参照しているか
- DHCPから配布しているDNS設定に変更がないか
- DNSサーバーが稼働しているか
- ルーターやファイアウォール、VPN機器などに直前の変更がないか
- 回線や利用サービスに障害・メンテナンス情報がないか
- Wi-Fi、有線LAN、拠点など、発生範囲に共通点がないか
特に、設定変更の直後から複数台で発生した場合は、その変更との関連を優先して確認します。
原因がサーバーやネットワーク機器側にありそうなら、初心者IT担当が自己判断で設定を変更するより、確認結果を整理して詳しい担当者やベンダーへ引き継ぐ方が安全です。
ベンダーや詳しい担当者へ伝える情報
自力で解決できない場合でも、切り分け結果を整理しておけば調査を進めやすくなります。
次を伝えられるようにしておきます。
- 発生日時
- 1台だけか、複数台か、社内全体か
- 有線LANかWi-Fiか
ipconfig /allで確認したIPv4アドレス・デフォルトゲートウェイ・DNSサーバーnslookupの実行結果- 既定のゲートウェイやDNSサーバーへの到達確認結果
- 直前のネットワークやPC設定変更の有無
- 再起動や
ipconfig /flushdnsなど、すでに実施した内容
設定値を口頭だけで伝えるより、コマンド結果を保存またはスクリーンショットで共有できるようにしておくと確認が早くなります。
まとめ
「DNSサーバーは応答していません」と表示されたときは、DNS設定をすぐ変更するのではなく、次の順番で確認します。
- 1台だけか、複数台かを確認する
- ネットワーク自体につながっているか確認する
ipconfig /allでIPアドレス・ゲートウェイ・DNSサーバーを確認するnslookupで名前解決を確認する- 1台だけなら、接続し直し・再起動・必要に応じた
flushdnsを試す - 複数台なら、DNS・DHCP・ネットワーク機器など共通部分を確認する
この順に進めれば、「DNSの問題に見えるが実際はネットワーク接続だった」「PC1台だけの問題だった」といったケースも切り分けやすくなります。
分からない設定を変更して直そうとするより、どこまで正常で、どこから失敗しているかを確認することが、社内ネットワークのトラブル対応では重要です。